ラット一つが商売道具(20代 女性)
「何でそんなに変わってしまったの?!」
彼と別れる直前までに私がよく使っていたフレーズです。
これがいかに愚かな言葉なのか気づいたときの話をします。
彼とはバイト先で出会って4年近く付き合っていました。
ずっと優しくて、いつも私を笑わせてくれて、生理周期まで覚えていてくれて、料理も得意だったのでよく食事を作ってくれました。
変わっていく彼に不安を覚える
変化を感じたのは彼の営業職の仕事が決まってからのことです。
彼はその仕事がとても楽しいと言っていました。
けど、その頃の私は仕事に夢中になっている彼を見ながら寂しい気持ちになっていたのです。
- わたしのことを見てくれることが少なくなった
- 夜の関係が減った
- メールしてもすぐに返信が来なくなった
彼の態度も冷たくなっていくような気がして、それが嫌でたくさんメールや電話をするようになりました。
それが良くないと頭の中ではわかっていたのですが、「別れるのが怖い」という気持ちから彼を束縛する方向に進んだんだと思います。
そして次第に喧嘩することも増えていきます。
「何でそんなに変わってしまったの?!」
「あの頃のあなたはこんなじゃなかった!」
と連発していました。
そして結局、彼から
「もう俺たち無理だよ。別れよう」
と言われ、そのまま言い返せず破局。別れることになったのです。
見方を変えてくれた友達
別れを切り出されたショックと、なぜか言い返せない自分へのやるせなさに埋もれてしまうようで、しばらくは自分の部屋に引きこもってしまいました。
ある日、心配してくれた友達が温泉旅行に誘ってくれました。女友達4人で観光もして旅館にも泊まって久しぶりに楽しい時間を過ごしました。
夕食の場になってから自然と私の破局話の話題になったときのことです。
彼と別れたいきさつを話していると、なんだか辛くなって泣いてしまいました。
友達2人は泣いている私を「辛かったね~」「頑張ったね~」と慰めの声をかけてくれました。
けど、一人の友達は黙って私の話を聞いて何も言いません。
一通り私の話が終わったところで、やっとその友達が口を開いたかと思うと、第一声が
「あなたが悪い」
でした。一気に冷たい空気が流れたのがわかります。
ほか二人は、「なんでそんなこと言うの?」「可哀そうじゃない!」とかばってくれようとはしたのですが、昔から男勝りなその友達は淡々と私の悪かったところを語りました。
過去ではなく「今」の彼に関心を向けなさい
最初はショックでしたが、話を聞く中でなるほどと思うことが多く、気づけば彼女の話に聞き入っている自分がいたのです。
特に心に響いたのが
「過去の彼ばかりを見ていて、今の彼を見ていない」
「過去を美化しすぎて、現在が廃れて見えるんだ」
ということで、ハッとさせられました。
- 彼の仕事の内容
- 仕事の何が楽しいのか
私は今の彼のことをほとんど知らなかったのです!
いつしか他の二人も彼女の話に耳を傾けて黙っていました。一通り話が終わったあと、最後に彼女は私にこうアドバイスをしてくれました。
「自分に関心を向けてもらおうとするんじゃなくて、
あなたのほうから彼に関心を向けるべきなんじゃない?」
温泉旅行の帰り、私のほうから彼に「自分のことばかりでごめんなさい」という謝罪のLINEを送りました。
数分後、彼からの返信は
「もう一回やり直さないか?」
という内容でした。
そのやりとりを私を叱ってくれた彼女に伝えたら、何も言わず親指を立てて祝福してくれました。
復縁してからは彼の行動や言動に至るまで、積極的に「今の彼」に関心を向けるようにしています。
辛くはありません。むしろ毎日新鮮で楽しいです!