量子力学の世界では、私たちの常識では考えられない現象が起きています。
ここでは、量子力学の理解を深めるため、簡単ですが量子力学の話をする際に、必ずといって良いほど話題に上がるのが二重スリット実験について紹介します。
二重スリット実験
実験ではスクリーンの前に「スリット」と呼ばれる2本の縦穴がある板を置き、そこに光子と呼ばれる原子よりも遙かに小さい粒子(量子)を飛ばします。
するとスクリーンにどのような模様が映し出されるかで、光子がどのような性質を持っているか観測できるのです。
出典:沖縄科学技術大学院大学
光子の性質が「波」なら、水面上を動く波紋のようにお互いに干渉してスクリーンにはしま模様が映し出されます。
光子の性質が「粒子」なら、スリットを抜けた先に粒が集まるので、二本の縦線が出るはずです。
さて、その結果は
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スクリーンには、縦にいくつもの線が引かれた「しま模様」が映し出されました。
つまり光子は「波(波動)」の性質を持っていることが分かったのです。
めでたしめでたし
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とはならず、科学者たちはこう考えました。
そこで、今度はスクリーンとスリットの間に専用のカメラを置いて、光子がどのような動きをするか観測してみることにしました。↓
すると、カメラに映し出されたのは、やはりスリットを通る光子の粒(粒子)で、まっすぐスクリーンに向かって飛んでいることが確認できました。
しかし、不思議なのはここからです。
カメラを向けて「観測」しているときは、先ほどと違ってスクリーンには「二本の縦線」が映し出されたのです!
つまり、光子は誰も見ていないときは「波」の性質を持っている。
しかし、誰かに見られている(「観測」されている)ときは「粒子」として振る舞うのです。
私たちが普段見ている世界では考えられない現象ですよね?
(なんとなく海を眺めていたら、急に海の水が干上がってサッカーボールになるようなものです!!ある意味ホラー)
しかし、量子の世界では基本的にこのような現象が起こっていると言われています。これは「観測」によって不確定な存在が「確定」するということを意味しています。
シュレーディンガーの猫
一定の確率で毒ガスを放出する装置とネコを同じ箱に入れた場合、蓋を開けて「観測」するまで生きた状態と死んだ状態が重なり合っている。フタを開けて覗いた瞬間に、猫の生死は決定され、それまでは生死の状態は決まらないという思考実験。
シュレーディンガー本人は、「そんな馬鹿げたことがあるわけないだろう?」という意図でこの思考実験を発表したが、後年に量子の世界では「観測した瞬間に物事の状態が決定される」ということが数学的に証明された。
量子力学の世界では、私たちの常識では考えられない法則が存在します。ロマンがありますよね?