チョコはしっとり派(20代 女性)
彼とは大学2年で知り合いました。
大学卒業後、彼は東京の大手企業に就職、私は実家が近い兵庫の中小企業に就職することになります。
大学生のころは毎日のように会っていたのに、それからは夜に少し電話する程度。月に1回は彼が兵庫に来てくれたり、私が東京にいったりすることもありました。
ただ、お互い仕事が忙しくなってきて、特に私が就職した会社が(ブラック企業ではないにしても)残業することが多いこともあり、彼と電話する時間は減る一方でした。
そんな生活が1年は続きましたが、彼には彼の、私には私の生活サイクルがあり、お互いのためにも別れようという話でまとまりました。
それからしばらくは連絡を取ることもなくなりました。
仕事で上司に言い寄られて悩む
仕事に慣れてきたころ、職場の上司が私に言い寄ってくるようになりました。上司は妻子持ちだったのでいわゆる「愛人関係にならないか」ということです。
最初は先輩の女性社員が私を守ってくれていたのですが、その先輩が異動で部署が変わってからは自分で自分を守るしか術がなくなったのです。
それが辛くて毎朝会社へ行くのが億劫でした。
次第に飲みの席で肩を抱きよせて来たり、卑猥な言葉を言ったりと、上司の行動はエスカレートしていきますが、周囲の社員は知らんぷりを決め込んでいました。
久しぶりに彼からの連絡
久しぶりに彼からメールが届いたのはそんなモヤモヤした時期のことです。
「今度仕事でそっちに行く機会あるんだけど、久しぶりに会う?もちろんツレ(友達)としてw」
元々喧嘩別れとかではなかったので
「いいね!おいしいお店つれてったる!」
と快諾しました。
久しぶりに会った彼の印象は“さわやかな青年”といった感じです(笑)。
ただ、別れたといっても3年近く付き合っていたのでものすごく意気投合しました。
自然な流れで仕事の話になったのですが、彼は今の仕事にすごくやりがいを感じていて楽しいとのこと。
全国規模のプロジェクトメンバーに選ばれて関西支社に出張で来ていることなどを嬉しそうに話していました。
仕事の悩みを彼に伝えると・・・
「そっちの仕事は?」と私のことを聞かれました。
そこで、
- 残業が多いこと
- 上司が言い寄ってくること
- セクハラされること
など、愚痴をこぼしたのですが、彼は真剣に話を聞いてくれたのです。
なんかそういうのがここのところなくて、ついつい泣いてしまいました。
一通り話したところで彼が「そんなところやめちゃえば?」と言ってくれました。
その時、
「そうだ、やめれば良いじゃないか」
「なんで嫌なことを続けているんだろう」
って思いました。
初めての会社で“辞める”という選択肢が思いつかなかった自分に気づかされたんです(嘘のような本当の話)。
東京に出てきなよ!
けど、やっぱり仕事をやめることには不安があることを彼に伝えると、
「じゃあ東京出てきなよ。東京で別の仕事さがしたら良いじゃん。仕事決まるまで俺の部屋使っていいよ」
と提案してくれたのです。
そこからは話がとんとん拍子に進み、私は会社を辞めて東京にある彼の部屋に転がり込むことになりました。
当初の予想では仕事を見つけるのに3か月くらいはかかると思っていましたが、1か月もしないうちに派遣社員の仕事が決まり、楽しい職場に巡り合いました。
しかも、派遣社員なのに前の会社よりお給料が良かったんです!
仕事を探している間、彼は律義にも部屋をしっかり分けてくれて“あくまで友達”として接してくれました(一緒に住んでいながら夜の関係もなし!)。
もう彼には感謝しかありません。
もう友達としては見れない
仕事も落ち着いて来たころ、彼から
「新しい部屋は探すの?」
と聞かれて正直寂しい気持ちになった自分に気づきました。
「ああ、うん…」
とはぐらかしていました。
彼は友達として接してくれるけど、私はもう彼を友達としては見れなくなっていたのです。
ええ、「一人の男性」として惚れ直しました。
そしてついに私のほうから
「もう一度あなたとやり直して、ずっとここにいたい」
と素直な気持ちを彼に告げました。
彼は彼でなんとなくわかっていたようで、笑いながら
「また、よろしく」
と言ってくれました。